「巨大な資金を持つ機関投資家が買ってくれないなら、一体誰がバリュー株を買って価格を押し上げるのか? いつまで経っても安値で放置されるのではないか?」
中小型バリュー株投資を勉強していると、必ず一度はこの疑問に突き当たります。実は、この疑問こそが多くの投資家が挫折するポイントであり、同時に「清原流バリュー投資家が最後に莫大な利益を手にする最大の理由」でもあります。
結論から言えば、機関投資家という「巨大なクジラ」がいなくても、株価が確実に上昇していく強力なメカニズム(カタリスト)が存在します。今回は、その3つの仕組みを分かりやすく解説します。
1. 配当利回りによる「水準訂正」(個人投資家の資金流入)
機関投資家が買わなくても、「配当という絶対的な現金」は嘘をつきません。
例えば、時価総額約196億円の「日本プロセス(9651)」を例に考えてみましょう。現在の株価(1,847円)での配当利回りは4.11%です。
会社が順調に利益を伸ばし、約束通り配当性向を維持して増配していった場合、もし株価が今のまま放置されれば、利回りは5%、6%と跳ね上がっていきます。
今の日本市場で「業績絶好調、倒産リスクゼロ、利回り6%」の株が放置されることは絶対にありません。機関投資家がいなくても、全国の個人投資家や中小型株専門のアクティブファンドが「定期預金代わりの宝の山」としてこぞって買いに走ります。
- 水準訂正のシミュレーション: 配当76円のまま、利回りが市場平均の3%に評価されるところまで買い進まれた場合、株価は2,533円に達します。
2. 自社株買いによる「強制的な価値向上」(会社自身の買い)
これが、キャッシュリッチ企業(ネットネット株)の最強の武器です。
日本プロセスには、約95億円の現預金があります。なんと時価総額の約半分が現金です。もし市場がこの価値を無視し続け、株価が長期間低迷した場合、経営陣は溜め込んでいる現金で市場から株を買い占める「自社株買い」という行動に出ます。
自社株買いが行われると、市場に出回る株式の総数が減ります。 利益(パイ)の総額が変わらなくても、分母となる株数が減るため、1株あたりの利益(EPS)は自動的に上昇し、連動して株価も強制的に押し上げられます。会社自身が「最強の買い手」として現れるのです。
3. MBO(経営陣買収)またはTOB(他社による買収)
これが、バリュー投資の「大当たりのゴール」の一つです。
時価総額が実態価値(本業の稼ぐ力+保有キャッシュ)に比べてあまりにも低く放置され続けると、他社からの買収(TOB)や、経営陣による非上場化(MBO)の確率が跳ね上がります。
同社はSCSK(9719)と資本業務提携を結んでいますが、大企業から見れば「優秀なエンジニア集団と95億円の現金を、実質100億円程度で丸ごと買収できる」状態です。これを資本市場が見過ごすはずがありません。
MBOやTOBが行われる際、通常は現在の株価に対して30%〜50%のプレミアム(上乗せ価格)が支払われます。安値放置への究極のペナルティであり、我々にとってはボーナスステージです。
まとめ:バリュー株は配当を貰いながらニヤニヤして待つゲーム
「機関投資家が買わないから株価が上がらない? それは逆で、機関投資家が見向きもしない間に、こっそり安値で買い集められるんだよ」
バリュー投資とは、『最終的に誰かが正当な価値に気づいてくれるのを、配当を貰いながら待つゲーム』だと思っています。機関投資家が参戦してくるのは、時価総額が大きくなり、バリュー投資家が「さて、そろそろ売り抜けようか」と思う頃に遅れてやって来るのです。
まずは安全域の広い銘柄を仕込み、規律を持って待つ。これこそが、この東京市場を生き抜くための最強の生存戦略と考えています。
ただ、そうなるためには、どの株でも良いわけではなく、
株の選定がしっかりできることが必須なので、勉強を重ねていきます。
※投資の最終判断は自己責任でお願いいたします。

コメント